先日フィギュア紹介しましたイップマン3ですが、ようやく映画本編を
見る事が出来ましたので、軽く感想を残したいと思います。
※ネタバレありです。
タイトル。上がるー!待ちに待った正真正銘ドニーの葉問!
冒頭から1人の男が葉問を尋ねてきます・・・その男は・・・
若きブルース・リー!演じているのは「少林サッカー」
「ブルース・リー伝説(ドラマ)」でリー先生を演じていた
ダニー・チャン!身体に厚みが出てる!いいね!
子供同士の喧嘩で、親同士知り合う事に。今回の
ラストバトルを演じる事になる、マックス・チャンです。
彼は殺破狼2のボスが印象的でしたねー。
夜のバトルシーン。
対多数の大好物シーンです。達人同士も良いけど、
こういう無双シーン大好き。やり過ごす系の殺陣
じゃなく、割と本気で叩きのめす系の殺陣なので、
顔面に付きやら首元に肘やら、割とえぐいというか、
拳法の技を決めてる感じがバッチリ伝わってきます。
そして、マックス・チャンも大暴れ。キレッキレの
ビューティフル暴力!彼のアクションは本当に重さを
乗せてる感じがして好きです。詠春も凄く様になってる。
無双アクションはこの後も違う場所で展開します。
そしてここでもマックス・チャン大暴れ。何気に
シーンも長くて良い。今度は獲物有りだしシチュエーションが楽しい。
しかし今作で一番のテーマになっているであろう
夫婦愛も。ドラマパートではパート1からお馴染みの
奥さんが、癌に冒されている事が発覚。愛妻家として
描かれたドニーの葉問ですが、今作までにキャリアを
積み演技力が妙に高くなったせいもあってか、ドニーが
感情を殺しながら奥さんに接しようとするところは本当ヤバかった。
予告でもあった、奥さんを守りながらエレベーター内
で闘うシーン。この格闘の始まり方とその最中、
終わり方が凄く良い。不穏な空気を感じたイップマンが
後ろにいる奥さんに荷物を手渡しするカット。何気に
これだけで、武術家の妻としていかに覚悟や生き方が
備わっているか、信用しているかが分かります。
ドニーの目線が敵を倒し切るまで敵から外されないのも
良いですね。こういう細かい演出が説得力を出す。
予告でも大々的に使われていたマイク・タイソンとの
まさかのバトル。予想通り、タイソンはラストではなく
中盤の見せ場という感じでした(2のサモ戦みたいな)。
ただ、思っていた以上に長めというか、アクションやった
ことのないタイソンが、どれくらい時間掛けて撮影したのかと
疑問。タイソンはリアルボクシングそのまんまの、彼の身体に
染み付いた動きそのもので、観ながらドニーが怪我しないか
心配でした(笑)
このバトルでは葉問のある新ポーズが発動。
「・・・絶招か!!」と意味も無く上がってしまいましたねぇ。
この辺はアクション監督ユエン・ウーピンの演出なんでしょうか。
しかし総合して観ると・・・
正直、ラストに持って来なくて良かったと思いました。
期待しすぎた。タイソンが彼自身の動きを貫いたのは、
アクション用のボクシングをするのは無理があったのか、
それともパブリックイメージを守る為なのか、気になるところであります。
そして、ドラマパート。
日に日に身体が弱っていく妻と、残された時間を過ごす葉問。
武術家である自分ではなく、良き夫であろうと尽くします。
巷では詠春対決などと言われ、対決の場が設けられますが、
葉問は対決の場へ現れず。妻とダンスを選びます。ここでダンスを
教えてもらいにブルース・リーのところへいくのがニクいです。
(リー先生は生前チャチャの大会で優勝する程の才能の持ち主)
そして個人的に、今作一番の名場面。
「あなたが木人を打つ音が聞きたい」と弱り切った妻に言われ、
涙を堪えながら木人を打つ葉問。ここは本当に泣けました。
そして始まる決戦。ドニー葉問では初めて描かれる、
詠春同士の激闘です。
感想製作発表、予告発表時は不安でしかたなかった葉問3
ですが、いやー面白かったです。
スケールこそ小さかったものの、本家シリーズに
恥じない風格・空気・説得力があったように感じます。
ドラマパートでは上でも触れましたがドニー・イェン自身
の演技力にやられました。まさかここまで演技が上手い
人になっちゃうとは。もう本当に宇宙最強じゃないか。
無表情で淡々と相手を蹴り殺す悪役とか、感情のまま
相手をフルボッコする暴力刑事とか、いわゆる
「アクションは出来るけど演技の出来ないB級スター」
みたいなポジションにかつていたハズの人なのに、
今では「強さと優しさを兼ねた、品のある達人」を
当たり前のように演じ切る。ドニーの向上心というか、
「アクション以外の品質も求める」感じが、ただの
「アクション馬鹿」ではなくて、結局「映画スター」
というより「映画人」寄りの人なんだなぁと
改めて感じました。
アクションパートに関しては、今作はこれまでよりも
1カットが長回し且つ引きのショットが多いです。
無双シーンも多かっただけに、「どんだけカメラに
人数映ってんの?」とずっと思ってました。
現場は大変だったろうに。
長回しや引きのカットって、攻撃から攻撃に映る
タイミングとか、間合いの取りかたがハッキリ
映っちゃうので下手な人だと誤魔化し切れないんですよね。
それでも全く違和感のあるカットが見受け
られなかったのは凄かったと思います。
一つ苦言を言うならば、決めの大技やメリハリの
効いた殺陣の展開、ピンチから反撃までの
1ロジック的な展開がほぼゼロだった、というのが
過去作に比べて弱いところです。
(一応、決め技はあったけど)
音楽は相変わらずの川井憲次。文句なんか言わないよ。
この人以外はもう考えられん。
今作も凄く良い曲揃いでした。サントラ出てないのかなぁ。
とにかく日本公開が待たれる葉問3。早くー早く決まってくれー!
絶対これは映画館で観たいです。この記事でネタバレ写真等を観ちゃったと言う方も、
機会があれば是非是非!良い作品ですよ!